SSH VPNという言葉を見かけると、「普通のVPNの代わりになるものなのか」「SSL VPNと何が違うのか」と疑問に感じる人は多いはずです。SSH VPNは、一般的なVPNサービスの一種というよりも、SSHの仕組みを応用して通信をトンネル化する技術的な手法です。そのため、使われる場面や目的はかなり限定されます。このページでは、SSH VPNとは何かを基本から整理し、SSHトンネリングの仕組み、VPNとの違い、どんな環境で使われるのかを分かりやすく解説します。
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※2025年11月10日時点の情報
SSH VPNとは、VPN専用のサービスや方式を指す言葉ではなく、SSH(Secure Shell)の通信機能を利用してトンネルを作り、疑似的にVPNのような通信経路を実現する手法を指します。そのため、一般的なVPNサービスとは前提や用途が大きく異なります。
SSH VPNとは何を指す言葉か
SSH VPNは、特定の規格や製品名ではありません。SSHで提供されているトンネリングやポートフォワード機能を使って通信を中継する構成を、便宜的に「VPNのように使う」ことからそう呼ばれています。
そのため、設定や挙動は環境ごとに異なり、ワンクリックで接続できるVPNアプリのような使い方は想定されていません。
なぜ「VPN」と呼ばれることがあるのか
SSH VPNと呼ばれる理由は、通信が暗号化されたトンネルを通り、外部から直接中身を見られにくくなる点がVPNと似ているためです。特定の通信をSSHサーバー経由にすることで、結果として通信経路を制御できます。
ただし、ネットワーク全体を包み込むVPNとは役割が異なる点を理解しておく必要があります。
一般的なVPNサービスとの決定的な違い
一般的なVPNサービスは、端末の通信全体をVPN経由に切り替えることを目的としています。一方、SSH VPNは、必要な通信だけを選んでトンネルに流す使い方が基本です。
SSH VPNは「VPNの代替」ではなく「技術的な回避手段」として使われるケースが多く、用途を誤ると期待した効果が得られない点に注意が必要です。
SSH VPNの中核となるのが「SSHトンネリング」という仕組みです。これは、SSH接続の中に別の通信を包み込み、暗号化された状態で中継する考え方です。一般的なVPNとは違い、通信全体ではなく、必要な通信だけを選んで通す点が特徴です。
SSHトンネリングとは何か
SSHトンネリングとは、SSH接続を確立した後、その接続の中を通して別の通信を流す仕組みです。外から見ると、すべての通信がSSHの通信に見えるため、途中のネットワーク機器から内容を判別されにくくなります。
この仕組みにより、本来は直接通せない通信を、安全な経路として中継できるようになります。
ポートフォワードとトンネルの関係
SSHトンネリングは、ポートフォワード機能を使って実現されます。特定のポート宛ての通信を、SSHサーバー側へ転送し、そこから目的の通信先へ届ける構成です。
このため、SSH VPNでは「どの通信をトンネルに流すか」を細かく制御できます。一方で、設定を誤ると通信が通らなかったり、意図しない経路を通ることもあります。
SOCKS5として使われるケース
SSH VPNは、SOCKS5プロキシとして利用されることもあります。この場合、アプリやブラウザ側でプロキシ設定を行い、通信をSSHトンネル経由に流します。
ただし、端末全体の通信が自動的に保護されるわけではないため、どの通信がトンネルを通っているかを把握して使う必要があります。
SSH VPNは「VPNのように使える」と言われる一方で、すべての通信を自由に通せるわけではありません。ここでは、SSH VPNで通せる通信と、通しにくい通信の違いを整理します。
SSHをインターネット経由で使う仕組み
SSH VPNは、SSHサーバーとの接続が成立していれば、その通信経路の中に別の通信を通すことができます。インターネット上では、外部からはSSH通信として見えるため、制限の厳しいネットワークでも通過できる場合があります。
この特性により、HTTPやHTTPSなど一部の通信を安全に中継できるケースがあります。
通せる通信・通せない通信の違い
SSH VPNは、ポートフォワードやSOCKS5を通して流せる通信に限って有効です。ブラウザ通信や特定のアプリ通信であれば問題なく動作することがあります。
一方で、端末全体の通信を自動的に切り替えるわけではないため、OSやアプリが直接行う通信はSSHトンネルを通らないこともあります。
通信が不安定になりやすい理由
SSH VPNは、本来VPN用途として設計された仕組みではありません。そのため、通信量が多い場合や長時間接続では、遅延や切断が起こりやすくなります。
「一時的に通す」「限定的に使う」用途であれば有効ですが、常時安定した通信を求める場合には不向きな点を理解しておく必要があります。
「VPNには接続できているのに、SSHだけがつながらない」という状況は珍しくありません。この問題は、SSH VPNそのものの不具合ではなく、通信経路や制御の違いによって起きているケースがほとんどです。
VPNとSSHの通信経路は同じとは限らない
一般的なVPN接続では、端末全体の通信がVPNトンネルを通るように設定されます。しかし、SSH接続は特定のポートを使った個別通信であり、VPNのルーティング設定次第では別経路を通ることがあります。
その結果、VPN経由に見えても、SSH通信だけが遮断されるという現象が起こります。
ポート制限・ファイアウォールの影響
SSHは通常22番ポートを使用しますが、このポートがネットワーク側で制限されている場合、VPNを通しても接続できません。特に、企業ネットワークや公共WiFiでは、SSH通信自体がブロックされていることがあります。
この場合、VPNの問題ではなく、SSH通信が許可されていない可能性を疑う必要があります。
「VPN経由 SSH 接続できない」と感じる典型パターン
実際には、VPNは正常に動作しており、SSHのルーティングやポート設定だけが原因になっていることが多くあります。設定変更や方式変更で解決する場合もあれば、環境上どうしても通らないケースもあります。
VPNとSSHは別レイヤーの通信であることを前提に切り分けると、原因を見誤りにくくなります。
SSH VPNが選ばれる場面として多いのが、NAT環境や通信制限の厳しいネットワークです。通常のVPNが通らない環境でも、SSHは比較的通りやすいという特性があります。
NAT越えとは何を意味するのか
NAT越えとは、プライベートネットワークの内側にある端末へ、外部から通信を届けることを指します。多くの環境では外部からの直接接続が制限されており、VPNやSSHを使って経路を確保する必要があります。
SSHはクライアント側から外向きに接続を開始するため、NATやファイアウォールの制限を受けにくい点が特徴です。
制限の多いネットワークでのSSHの強み
企業ネットワークや公共WiFiでは、VPN通信や特定のポートが制限されていることがあります。一方、SSHは管理用途として広く使われているため、比較的許可されやすい傾向があります。
このため、「VPNが使えないがSSHは通る」という状況で、SSH VPNが現実的な選択肢になることがあります。
SSH VPNが選ばれる現実的な場面
SSH VPNは、恒常的な通信基盤としてではなく、一時的な回避策や限定的な用途で使われるケースがほとんどです。環境制約を理解したうえで使うことが前提になります。
制限を回避できるから万能というわけではなく、あくまで用途を選ぶ技術だと認識することが重要です。
SSH VPNは、一般的なVPNサービスの代わりとして使うものではなく、SSHの仕組みを応用した技術的な通信手法です。トンネリングやポートフォワードを理解したうえで使えば、制限の多い環境で役立つ場面もあります。
一方で、通信の安定性や運用性はVPN専用方式には及びません。SSH VPNの立ち位置を正しく理解し、他のVPN方式との違いを整理したい場合は、まとめページである
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