IP VPNという言葉を調べると、インターネットVPNやIPsec VPNと並んで紹介されることが多く、違いが分からないまま混乱してしまう人は少なくありません。IP VPNは、個人向けのVPNサービスとは考え方が異なり、主に法人ネットワークで使われる通信方式です。名前に「VPN」と付いていますが、仕組みや前提となる回線が大きく異なります。このページでは、IP VPNとは何かを基本から整理し、インターネットVPNとの違いや、どんな用途で選ばれているのかを分かりやすく解説します。
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※2025年11月10日時点の情報
IP VPNとは、インターネットをそのまま使うVPNとは異なり、通信事業者が用意した閉じたネットワーク(閉域網)の中で拠点同士を接続するVPN方式です。一般的に「VPN」と聞いてイメージされる個人向けサービスとは、前提となる仕組みが大きく異なります。
IP VPNとは何を指す言葉か
IP VPNは、通信の方式やアプリを指す言葉ではなく、ネットワークの提供形態を指す用語です。通信事業者のネットワーク網の中だけでIP通信を行い、外部のインターネットとは論理的に切り離された環境を作ります。
そのため、IP VPNは「インターネット上に仮想トンネルを作る」というよりも、「最初から外に出ない専用の通信空間を使う」という考え方に近い方式です。
なぜ「IP」という名前が使われているのか
IP VPNの「IP」は、インターネット・プロトコル(IP)を使って通信していることを意味します。ただし、ここで重要なのは「インターネットを使っている」という意味ではない点です。
IPという共通の通信方式を使いながら、実際の通信経路は通信事業者の管理下にある閉域網を通ります。この点が、名前だけを見たときに誤解されやすいポイントです。
一般的なVPNと混同されやすい理由
IP VPNが分かりにくい理由の一つは、インターネットVPNやIPsec VPNと同じ「VPN」という言葉が使われていることです。実際には、守り方が違うだけで目的は似ているため、説明が省略されがちです。
まずは「IP VPNは回線やネットワークの話」「インターネットVPNは通信を暗号化する話」と切り分けて考えると、全体像が理解しやすくなります。
IP VPNを理解するうえで欠かせないのが、「どの回線を通って通信しているのか」という視点です。インターネットVPNとの違いは、暗号化の有無だけでなく、通信経路そのものにあります。
閉域網を使った通信とは
IP VPNでは、通信事業者が管理する閉域網の中だけでデータがやり取りされます。これは、誰でもアクセスできるインターネットとは異なり、契約した拠点や端末しか入れないネットワークという点が特徴です。
このため、外部からの不正アクセスや盗聴リスクが構造的に低く、通信の安定性も高くなります。セキュリティ対策を「暗号化」に頼らず、「通る道そのものを限定する」考え方がIP VPNです。
回線・専用線との関係
IP VPNは、専用線と比較されることが多い方式です。専用線は物理的に回線を占有しますが、IP VPNは通信事業者のネットワークを論理的に分けて使います。そのため、専用線ほど高コストにならず、拠点数が多い場合にも柔軟に構成できます。
一方で、一般的なインターネット回線とは異なり、回線品質や運用は事業者に大きく依存します。この点が、法人契約が前提になる理由の一つです。
なぜ法人向けと言われるのか
IP VPNは、複数拠点を安定して結ぶことを前提に設計されています。そのため、個人利用よりも、本社と支社、データセンター間などの法人ネットワークで価値を発揮します。
回線契約や構成の自由度が高い反面、導入や運用には一定の知識とコストが必要です。「安全で安定した通信を継続的に使う」という目的がある場合に選ばれる方式だと言えます。
IP VPNとインターネットVPNは、どちらも「VPN」という言葉が使われますが、通信を守る考え方そのものが異なります。ここでは、どちらが優れているかではなく、前提の違いに注目して整理します。
インターネットVPNとは何か
インターネットVPNは、誰でも使えるインターネット回線の上に、暗号化されたトンネルを作って通信する方式です。通信内容を暗号化することで、第三者に中身を見られにくくします。
この方式は、場所を選ばずに利用でき、個人や小規模な利用でも導入しやすいのが特徴です。一方で、通信経路自体はインターネットに依存するため、回線品質や混雑の影響を受けやすい面もあります。
IP VPNとの決定的な違い
IP VPNは、暗号化以前に「そもそもインターネットを通らない」構成を取ります。通信事業者の閉域網の中だけで通信が完結するため、外部からの干渉を受けにくいのが特徴です。
インターネットVPNは暗号化で守り、IP VPNは経路で守るという違いを押さえておくと、両者の位置づけが分かりやすくなります。
用途の違いをどう考えるか
インターネットVPNは、外出先から社内システムにアクセスする場合や、個人が通信を保護したい場合に向いています。一方、IP VPNは、拠点間を常時接続し、安定した通信を維持したいケースで選ばれます。
同じVPNでも目的が違うため、置き換えや単純比較はできません。用途に合った方式を選ぶことが重要です。
IP VPNを調べていると、必ずと言っていいほど「IPsec VPN」という言葉も目にします。どちらも「IP」という名前が付いているため混同されがちですが、両者は指している対象がまったく異なります。
IP VPNとIPsecは別の概念
IP VPNは、通信事業者が提供するネットワークの構成や提供形態を指す言葉です。一方、IPsecは、通信を暗号化・認証するための技術(プロトコル群)を指します。
つまり、IP VPNは「どの道を通るか」の話であり、IPsecは「その道をどう守るか」の話です。この違いを理解すると、名前が似ていても役割が別であることが分かります。
役割と使われ方の違い
IPsecは、インターネットVPNや拠点間VPNなど、さまざまな構成で使われる暗号化技術です。インターネットVPNでは、IPsecを使って通信内容を保護するケースが多く見られます。
一方、IP VPNでは、通信経路そのものが閉域網で守られているため、必ずしもIPsecを使うとは限りません。守り方の前提が異なることが、この違いにつながっています。
なぜ名前が似ていて混乱しやすいのか
IP VPNもIPsec VPNも、「IP」という通信方式を使っている点では共通しています。しかし、用語が省略されて使われることが多く、説明なしに並べられることで混乱が生じます。
IP VPNはサービスや回線の話、IPsec VPNは暗号化方式の話と切り分けて理解すると、全体像が整理しやすくなります。
IP VPNは、個人向けVPNサービスのようにアプリを入れて使うものではありません。通信事業者が提供する回線やネットワークを前提に、拠点同士をあらかじめ設計された構成で接続します。
IP VPNの基本的な接続構成
IP VPNでは、各拠点に設置されたルーターやネットワーク機器が、通信事業者の閉域網に接続されます。拠点同士はこの閉域網を経由して常時接続され、インターネットを経由しない通信が成立します。
このため、利用者が意識するのは「接続する・切る」といった操作ではなく、ネットワークとして常につながっている状態です。
個人利用が想定されていない理由
IP VPNは、契約・設計・運用までを含めて通信事業者と調整する必要があります。そのため、個人が一時的に使う用途には向いていません。
外出先から社内にアクセスする、といった用途では、インターネットVPNやリモートアクセスVPNが使われるのが一般的です。IP VPNは「拠点を結ぶ」ための方式という前提を押さえておくことが重要です。
「確認」という言葉が指すもの
IP VPNにおける「確認」とは、接続状態や回線の疎通、ルーティングが正しく機能しているかをチェックすることを指します。アプリのオン・オフを切り替えるような確認とは性質が異なります。
ネットワーク全体の構成を把握したうえで確認作業が行われる点も、個人向けVPNとの大きな違いです。
IP VPNは、インターネット上に暗号化されたトンネルを作るVPNとは異なり、通信経路そのものを閉じたネットワークにする方式です。そのため、安定性や安全性を重視する法人ネットワークで選ばれてきました。
「VPN」という名前だけで比較すると混乱しやすいですが、回線・仕組み・用途を切り分けて考えることで、IP VPNの立ち位置が明確になります。VPN方式全体の違いを整理したい場合は、親ページである
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