各社のVPNサービスは、契約プランを魅力的に見せるためにさまざまな工夫を凝らしています。
例えば、「月額料金が〇〇円」と記載されていても、実際には長期契約の総額を月数で割っただけで、毎月の支払いが発生しないケースが多いです。また、「+3ヶ月無料」や「最大〇〇%オフ」などの表記も、計算方法によっては実際のコストと異なることがあります。
そのため、消費者が本当にお得なVPNサービスを選ぶためには、単純な料金表示に惑わされず、すべての費用を考慮して比較することが重要です。
本記事では、個人向けVPNサービスを選ぶ際に注意すべき「隠れた料金」のポイントを詳しく解説します。また、正確な料金比較の方法についても説明し、実際にNordVPN、ExpressVPN、SurfsharkVPNの3社のプランを正しく比較します。
最終的に2025年時点で最もお得で高性能なVPNサービスはどこなのか、わかりやすく解説していきます。
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どのVPNサービスにするか迷ったらこの3社を選べば間違いないよ(‘◇’)ゞ
※2025年3月18日時点の情報
個人利用ユーザーがVPNサービスを選ぶ際、多くの人は「月額料金」や「年間プランの総額」だけを見て比較しがちです。
しかし、実際にはさまざまな要素が料金に影響を与えており、単純に表示価格だけで比較すると誤解を招くことがあります。例えば、付帯機能の違いや決済通貨、税金、さらには長期契約の料金表示のカラクリなどが関係してきます。
ここでは、VPNサービスの「隠れた料金」に関する注意点を詳しく解説します。これらのポイントを理解することで、より公平で正確な料金比較ができるようになります。
①プランによって付帯機能が異なる
VPNサービスには複数のプランが用意されていることが多く、価格だけで比較すると誤った判断をしてしまう可能性があります。例えば、SurfsharkVPNの場合、以下の3種類のプランがあります。
- Surfshark Starter(最も安いプラン)
- Surfshark One(ウイルス対策機能付き)
- Surfshark One+(さらに追加機能あり)

この中で、最も安いSurfshark Starterは基本的なVPN機能のみで、ExpressVPNやNordVPNの標準プランに含まれているウイルス対策機能が一切付帯していません。そのため、このプランで他社と比較すると条件が異なり、実際にはSurfshark Oneのプランで比較するのが適切です。
同様に、NordVPNにも「ベーシックプラン」「プラスプラン」「コンプリートプラン」の3種類があり、最も安いベーシックプランでは追加のセキュリティ機能が含まれていません。

VPNの機能を正しく比較するためには、各社の同等レベルのプラン同士を比較することが重要です。
次は、「決済通貨と為替の影響」について詳しく説明します。
②決済通貨と為替の影響
VPNサービスの料金を比較する際には、どの通貨で請求されるのかも重要なポイントです。
VPNサービスによっては、円(JPY)で請求するものと、米ドル(USD)で請求するものがあり、比較する際にはすべて同じ通貨で計算する必要があります。
例えば、日本国内の利用者がVPNの料金を比較する場合、円建てで料金を統一して比較するのが適切です。一方、海外在住の人は米ドルで統一すると、より実際の支払い額に近い比較ができます。
米ドル決済のVPNサービスは為替の影響を受ける
ExpressVPNなどの一部のVPNサービスは、米ドルで請求されます。
この場合、為替レートの変動によって月額料金が変わるため、契約時と更新時で支払い額が異なることがあります。例えば、契約時に1USD=140円だったとしても、更新時に1USD=150円になっていると、支払い額が増える可能性があります。
しかし、米ドル決済のVPNサービスには、日本の消費税(+10%)が発生しないというメリットもあります。NordVPNやSurfsharkVPNのように、日本円で請求するVPNサービスは、最終の決済画面に進むまで税抜価格で表示されるため、実際の支払い額は表示価格の+10%を追加した金額になることを考慮しなければなりません。
③税抜き表示
VPNサービスの公式サイトでは、多くの場合、最終的な決済画面に進むまで税抜き価格でPRされていることが一般的です。
これは、消費者にとって料金が安く見えるようにするための工夫ですが、実際に支払う金額とは異なるため注意が必要です。
例えば、日本円で請求されるNordVPNやSurfsharkVPNの場合、公式サイト上では「月額〇〇円」と表示されていても、それは税抜き価格であることがほとんどです。決済画面に進むと、ここに消費税(+10%)が加算され、最終的な支払い額が高くなることに気づくケースが多いです。

どんな影響があるのか?
- 公式サイトの表示価格 ≠ 実際の支払額
PRページでは税抜き価格で表記されているため、一見安く見えるが、実際には消費税分を加えた金額を支払うことになる。 - 比較するときに注意が必要
例えば、ExpressVPN(米ドル決済)の場合は、税抜き表示ではなく、為替レートによって変動するが、消費税はかからない。一方、日本円請求のVPNは、税抜き価格に**+10%**されるため、実際の支払額は公式サイトの表示より高くなる。 - 正しい料金比較をするためには?
料金比較をする際には、税抜き表示のVPNサービスは税込価格に換算して計算することが重要です。例えば、NordVPNの公式サイトで「月額700円」と書かれていても、実際の支払額は700円 × 1.1 = 770円となります。
このように、VPNサービスの料金を比較する際は、公式サイトの表示価格を鵜呑みにせず、最終的な支払い額をしっかり確認することが大切です。
次は、「長期契約プランの月額換算料金のカラクリ」について説明します。
④長期契約プランの月額換算料金を安く見えるように表示している
VPNサービスの公式サイトでは、長期契約プランの月額料金をできるだけ安く見せる工夫がされています。
特に、「+3ヶ月無料」や「最大○○%割引」といったプロモーション表記が、実際の支払額とは異なる印象を与えることがあります。
例えば、SurfsharkVPNの2年プランの料金表示を見てみましょう。

- 公式サイトでは「月々388円」と表示され、さらに「+3ヶ月無料(85%節約)」とPRされています。
- しかし、小さな文字で「初めの27ヵ月間は10,476円」と記載されています。
この料金表示を見たとき、多くの人は「月額388円なら他社よりお得」と思ってしまいがちです。しかし、実際には以下の点に注意が必要です。
この表示のカラクリ
- 「月々388円」は24ヵ月契約ではなく、27ヵ月間の合計額を基に算出されている
公式サイトの「月々388円」という表記は、10,476円 ÷ 27ヵ月で計算されたものです。
しかし、これは3ヶ月分の料金を含んだ「27ヵ月間利用する前提の計算」であり、一般的な2年(24ヵ月)プランの比較とは異なります。 - 実際には27ヵ月分の料金を一括で請求される
ユーザーは、毎月388円を支払うのではなく、契約時に10,476円を一括で支払う必要があります。
つまり、24ヵ月の契約ではなく、27ヵ月間の利用を前提とした料金になっています。だから、3ヶ月無料という表記は見方によっては消費者を騙す表記方法であり実際は3ヶ月無料ではありません。
24ヵ月プランの実質料金を計算するには?
もし、他のVPNサービスの純粋な2年(24ヵ月)プランと公平に比較したい場合は、以下の計算が必要です。
- 27ヵ月の料金
388円×27ヵ月= 10,476円(公式サイトの表示通り) - 3ヶ月の料金
388×3ヶ月= 1,164円 - 24ヵ月分の料金を求める
10,476円 – 1,164円=9,312円
結論:3ヶ月無料の表記に惑わされないことが重要
公式サイトでは「3ヶ月無料」と表示されていますが、これは27ヵ月分を一括支払いする前提の計算です。
もし24ヵ月間だけの料金を公平に比較したい場合は、9,312円と考えるのが適切です。
このように、長期契約の月額料金は「無料期間」などの条件込みで計算されていることが多いため、契約前に本当にお得なのかをしっかり計算することが重要です。
⑤特典が自分にとってメリットなのか
VPNサービスを契約する際、多くのプロバイダーが「特典」を用意しています。
しかし、これらの特典は一見お得に見えても、実際に自分の用途に合っているかどうかを確認することが重要です。単に「特典がついているからお得」と考えるのではなく、自分にとって本当に価値のある特典なのかを見極める必要があります。

例えば、ExpressVPNでは特定の契約プランに申し込むと無料のeSIMがもらえる特典があります。この特典は、海外旅行や長期滞在をする人にとっては大きなメリットになります。
- eSIMとは?
eSIMは、物理的なSIMカードを使わずにスマホにデータ通信プランを追加できる仕組みです。Wi-Fiがない環境でもモバイルデータ通信が可能になるため、海外旅行中に現地のSIMカードを購入せずにインターネットを使える利点があります。 - ExpressVPNのeSIM特典のメリット
海外で手軽にインターネットを使える(SIMカードの差し替え不要)
追加費用なしでデータ通信を利用できる(一定のデータ量まで無料)
VPNと組み合わせてセキュアな通信が可能 - ExpressVPNのeSIM特典のデメリット
対応している端末が限られている(eSIM非対応のスマホでは使えない)
提供されるデータ通信量が制限されている(無制限ではない)
日本国内での使用には向いていない場合がある(利用地域に制限がある可能性)
特典が自分にとって本当に必要かを考える
VPNサービスの特典は、実際にその機能を使う人にとっては大きなメリットになりますが、必要ない人にとっては単なるおまけになってしまうこともあります。例えば、海外旅行をしない人にとっては、eSIM特典はほとんど意味がないでしょう。
また、他のVPNサービスでは以下のような特典を提供していることがあります。
- NordVPN:パスワード管理ツール「NordPass」の無料提供
- SurfsharkVPN:広告ブロック機能や個人情報漏洩監視サービスの追加
これらの特典も、実際に利用する人にとっては価値がありますが、必要ない人にとっては契約の決め手にはならない可能性があります。
結論:特典の有無ではなく、自分の用途に合うかどうかをチェック
VPNサービスの特典は一見魅力的に見えますが、自分にとって本当にメリットがあるのかを考えたうえで契約することが重要です。特典だけに惹かれて契約すると、結局使わない機能にお金を払うことになる場合もあるため、特典の内容をしっかり確認し、自分の利用目的に合ったVPNサービスを選びましょう。
次は、「実際に人気の個人向けVPNサービス3社の料金を正しく比較してみた」について解説していきます。
VPNサービスを選ぶ際、多くの人が料金を基準に比較します。
しかし、VPN各社の料金表示には消費者が誤解しやすいカラクリが存在し、単純な月額料金だけを見て比較すると、実際の支払額と異なるケースが多いです。
本章では、日本で特に利用者数が多く知名度の高いNordVPN・ExpressVPN・SurfsharkVPNの3社の料金を正しく比較します。特に、ExpressVPNとSurfsharkVPNが「1年プラン+3ヶ月無料」「2年プラン+4ヶ月無料または+3ヶ月無料」などとPRしている表記の問題点についても詳しく解説します。
これらのVPNは、一見お得に見えるように「無料期間」を強調していますが、実際は無料分の期間も含めた総額を契約時に請求されるため、誤認を招く不誠実な表記だといえます。
一方、NordVPNの2年プランの「6ヵ月無料特典」は、契約時の請求金額に含まれず、契約後にクーポンとして提供される仕組みになっています。この違いは、消費者にとって非常に重要なポイントであり、NordVPNの方がより誠実な表記方法を採用しているといえるでしょう。
これから、各VPNの料金を公平な基準で比較し、実際にどのサービスが最もお得なのかを明確にしていきます。
- ①付帯機能が同じ料金プランで各社を比較する
- ②決済通貨を一律にする
- ③税抜き表示のVPNサービスの料金を税込に修正する
- ④純粋に契約期間の料金で公平に比較する
- ⑤特典が自分にとってメリットなのか
VPNサービスを選ぶ際、「料金が安い」だけでなく、サーバー性能や安定性も重要なポイントです。
確かに、SurfsharkVPNは1年・2年プランの料金が圧倒的に安く、コスト重視のユーザーには魅力的に見えます。しかし、筆者の経験では、タイから韓国や台湾サーバーへの接続は問題ない一方で、タイからアメリカやイギリスのサーバーに接続して動画を視聴する際に何度も接続が途切れるという問題が発生しました。これは、SurfsharkVPNのサーバーが近距離国(韓国・台湾など)には強いが、遠距離サーバーの安定性が低いためと考えられます。
一方で、NordVPNとExpressVPNは、遠距離サーバーでも安定した接続が可能で、筆者の使用経験ではアメリカのサーバーでもスムーズに動画視聴ができたため、サーバー性能の高さが実感できます。
結論:料金と性能のバランスを考えると?
- NordVPN → 2年契約が最もコスパが良い
- ExpressVPN → 1ヵ月契約・1年契約がNordVPNよりお得
料金だけを重視するならSurfsharkVPNが最安ですが、安定したサーバー性能を求めるなら、NordVPNまたはExpressVPNを選ぶのが最適です。特に、短期間の利用ならExpressVPNの1ヵ月契約、長期利用ならNordVPNの2年契約が最もお得で高性能な選択といえます。
VPNサービスを選ぶ際、価格や機能だけで比較すると見落としがちなポイントがあります。
特にMillenVPNはExpressVPN、NordVPN、SurfsharkVPNとは全く異なる土俵で勝負しているため、単純に料金や機能だけで比較するのは適切ではありません。
MillenVPNは、他のVPNとは違い7日間・15日間・30日間・月額サブスクプランといった超短期利用をターゲットにしたプランが特徴です。これにより、長期契約を前提としないユーザーにとっては使いやすいサービスとなっています。
また、日本企業が運営している数少ないVPNサービスであるため、日本円決済に対応し、日本語サポートがある点はメリットです。しかし、日本国内で運営されているがゆえに、日本の法律に基づいてユーザーログの保管が義務付けられており、厳密にはノーログVPNとは言えません。
実際に使ってみた感想
筆者自身もタイでMillenVPNを使用したことがありますが、頻繁に接続が途切れるという問題が発生しました。特に動画視聴時の接続品質が安定せず、ExpressVPNやNordVPNと比べるとサーバー性能が明らかに劣ると感じました。
結論:MillenVPNは特定のニーズ向け
MillenVPNは、短期間だけVPNを使いたいユーザー向けのサービスであり、長期利用や動画視聴の安定性を求める人には適していません。
コスパの良さに惹かれるかもしれませんが、ノーログではない点、サーバー性能の低さを考慮すると、ExpressVPNやNordVPNの方が圧倒的に安定していて実用的だと言えます。


VPNを選ぶ際は、料金表示のカラクリやサーバー性能を考慮することが重要です。
- 料金の安さだけで選ぶと失敗する
SurfsharkVPNは安いが、遠距離サーバーの接続が不安定。NordVPNやExpressVPNは高性能で安定している。 - 1ヵ月または1年契約ならExpressVPNが最もお得で高性能
1ヵ月または1年契約ならNordVPNよりExpressVPNが最適。 - 2年契約ならNordVPNが最もお得!
2年契約ならExpressVPNよりNordVPNがお得。 - MillenVPNは短期利用向け
日本企業運営で料金は安いが、ノーログではなくサーバー性能も低いため長期利用には向かない。
最終的に、安定した速度とコスパを考えるならExpressVPNかNordVPNが最もおすすめです。
人気VPNアプリの早見表

どのVPNサービスにするか迷ったらこの3社を選べば間違いないよ(‘◇’)ゞ
※2025年3月18日時点の情報